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人生は自分主演の映画——ひすいこたろう『ものの見方検定』感想

本屋さんでの私は、だいたい“いつもの私”です。平台の前で立ち止まり、「あ、ひすいさんだ」と手に取り、レジへ直行。家で読み切って、ふう、と閉じたあとで気づきました。——この本、2016年11月にも読んでいたじゃないか。未来の私よ、なぜ止めなかった。過去の私よ、なぜメモを残さなかった。バーコード管理アプリまで入れているのに、今回に限ってノーチェック。けれど二度目の購入は、二度目の出会いでもあります。前に読んだときの記憶がほぼゼロだったおかげで、いまの自分の目で、新しい気持ちで読み直せました。この本は手元に残します。

さて本題。『ものの見方検定』は、出来事より“見方”が強い、ということをいろんな角度から教えてくれます。ページを開くと、花の向きに目がいきます。背の低いタンポポは上を向き、人と同じ背丈のひまわりはこっちを見て、高いところの桜は下へ目線を落とす。そう考えるだけで、気持ちが和らぎます。

売り切れの札に出会うたび、以前は「買えなかった…」と肩を落としていました。でも販売者の側から見れば「やった、完売!」。現実は一つでも、見方は二通り。どちらで捉えるかは自分で選べます。見方を変えると気持ちが少し軽くなりました。

さらに秀逸なのが“面倒くさい”の見方。宮崎駿さんいわく、大事なことはたいてい面倒くさい。たしかに、洗い物も申請書も、人に見せる前の書き直しも、どれも、楽しいことのそばにはたいてい手間がついてきます。面倒だと感じる作業も、終われば前に進みます。楽ではないけれど、確実に前に進みます。手間の積み重ねに、その人らしさが出ます。

行き詰まったときは原点に戻れ、という提案も好きです。なぜ始めた? どこにワクワクがあった? 思い出すだけで、気持ちが動き出します。孤独についての見方も優しい。寂しさは新しい“役割”の募集サイン。周りをきょろきょろ見渡して、自分が居心地よくできる小さな仕事を見つければ、脇役から一歩前に出られます。

そして食の章。「微食」は「美食」、「空腹」は「幸福」。言葉遊びのようですが、実感もあります。私は空腹を“運を貯める時間”とみなして、一息ついて、ゆっくり食べるようにしました。お金の貯金だけじゃなく、からだの“運”も、ときには充電しておきましょう。

本書の芯は、たぶんこの一文に凝縮されています。「起きている事実よりもっと大きな影響力があるのは『自分がどう思っているか』」(ひすいこたろう)。人は一日に六万回も思考すると言われます。ならば、六万回のうち数回でも“見方を選び直す”だけで、日常の色相はがらりと変わるはず。

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