知らなかった、じゃ済まされない。ナショナリズムってなんだ?
知らなかったことが多すぎて、ちょっとショックだった
中国や韓国との関係にずっと興味はあったけど、ちゃんと調べたり考えたりしたことってなかったかも……。そんな気持ちで手に取ったのが、『日中韓を振り回すナショナリズムの正体』という本。対談形式でとても読みやすいのに、読後はずしんと重い感覚が残った。
まず、冒頭で著者が言っていたこの一言に、ドキッとさせられた。
「何をすべきかじゃなく、何をすべきでないかを言い続けるべきだと思ってる」
今の世の中、正しさや主張が目立ちやすいけれど、そうじゃない軸もあるんだなと思った。
「美しい日本」に潜む落とし穴?
ナショナリズムって聞くと難しく感じるけど、この本では「上部構造」と「下部構造」に分けて説明されていて、それがすごく分かりやすかった。
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上部ナショナリズム:国家が主語(国益・国威・強い国)
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下部ナショナリズム:私たち市民が感じるもの(文化・自然・生活の知恵)
たとえば「日本って美しい国だよね」っていう気持ち。これ自体は悪くないけど、それを国家が都合よく利用しちゃうと、危ない方向に転がることもある。
「いいナショナリズム」が「危ないナショナリズム」に利用される瞬間って、実はすぐそこにあるのかもしれない。
「戦争はイヤだ」だけじゃ足りないってこと
戦争の話って、どうしても「つらかった」「もうイヤだ」で終わってしまいがち。でも、それだけじゃ後の世代にはちゃんと伝わらない。
たとえばこんな例えが本の中に出てきた。
「沸騰したお湯に手を突っ込むと火傷するよ」ってだけじゃ伝わらない。
100度のお湯がどうして危ないのか、皮膚がどうなるのか、そこまで知らないと行動にはつながらない。
「戦争はダメ」って気持ちをどう伝えるか、考えさせられた。
自分の考え、本当に自分で考えたもの?
正直、ネットやテレビでよく見る「日本スゴイ系」の話って、気持ちよくて好きだった。でもこの本を読んで、「それ、本当に自分で調べて考えたこと?」と問われた気がした。
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ネットの情報も、見たいものだけ見てるだけじゃ危ない
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他国のことを知らないのに、自分の意見を語ってた
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「強い国」「美しい国」って言葉、気をつけて使わないと危うい
読んでいるうちに、知らないことの多さと、自分の想像力の足りなさにちょっと恥ずかしくなった。
知ろうとすることが、まず一歩
中国や韓国と、どう関わっていけばいいのか?
答えは一つじゃないし、すぐにわかるものでもない。だけど「知らないまま」「わかった気になる」のが一番危ないと、この本は教えてくれた。
たとえば著者たちは、「ナショナリズムには3つの層がある」と言ってる。
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A層:政府と政府の関係(国益)
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B層:民間人同士の交流や理解
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C層:感情だけで相手を嫌う人たち
私はせめてB層でいたいし、できれば周りにもそうあってほしい。
国と国の話をするのって難しいけど、ちゃんと知ろうとすること、それが最初の一歩なんだと思う。

