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兄を亡くして読んだ『さとりをひらいた犬』――魂は壊れないという希望

「ほんとうの自分」を問い直す、1匹の犬の物語

――『さとりをひらいた犬 ほんとうの自分に出会う物語』(刀根健)

狩猟犬ジョンが、殺されそうになったオオカミの「魂の声」を聞いたとき、物語は静かに動き始めます。
「お前は、人間に仕えるために生まれてきたんじゃない」
その言葉は、ジョンだけでなく、今を生きる私たちの胸にも突き刺さる問いでした。

「生存」と「ほんとうに生きる」のあいだで

ジョンは優秀な狩猟犬で、群れの中心的な存在。
けれどオオカミに問われてしまうのです。

今の自分は“ほんとうの自分”なのか?

仲間たちは言います。
「何も知らない方が幸せだよ」「眠っていた方が楽だよ」と。

耳が痛いほど、人間の世界にも同じ言葉があふれています。
見ないふりをして、感じないふりをして、
「このくらいでいいか」と、心を麻痺させて生きること――
それはたしかに“生存”かもしれない。
でも、ほんとうに「生きている」と言えるのか?
この本は、そこに容赦なく光を当ててきます。

世界はつながっている――命に「ありがとう」と言えたとき

旅に出たジョンは、空腹のあまりウサギを狩ります。
そのとき彼は気づきます。

自分も、ウサギも、森も、
みんな大きな「いのちのつながり」の中にいること。

奪うだけの狩りではなく、
「ありがとう」と感謝して、自分の一部として受け取る。

この場面を読んだとき、
私自身の「当たり前の毎日」も、
どれだけ多くの命に支えられているのかを
あらためて考えさせられました。

兄を亡くして、胸に残った「魂」の言葉

本書の中で、
「身体とエゴだけでも、生存していくことはできる。
でも魂が死んでいる人間が多い」
というような一節があります。

そして、
「肉体は壊れても、魂は壊れない」
というメッセージ。

最近、兄を亡くした私は、
この言葉を読みながら、静かに涙がこぼれました。

もう触れることも、話すこともできない。
それでも、兄の存在が消えてしまったとはどうしても思えない。
肉体は終わっても、あの人の魂は、
私の中で、生きた時間の中で、たしかに続いている――。

この本は、その感覚にそっと寄り添ってくれました。

「本当の自由」とは、自分から自由になること

物語の終盤で語られるのは、
身体・エゴ・魂という三つの存在のバランス、
そして「本当の自由」の正体です。

本当の自由とは、
外側の誰かや、環境から解放されることだけではなく、
自分の中の「怖れの声」「エゴの声」から自由になること。

逃げれば逃げるほど、恐怖は追いかけてくる。
だからこそ、勇気を出して
「本当じゃない自分」と向き合うしかない。

苦しみとは、
「今ここで起きている現実を受け入れたくない」という心の抵抗だと
この本は教えてくれます。

読み終えて、私が自分に問いかけたこと

ページを閉じたあと、
私は自分にこう問いかけました。

私はいま、「生きて」いるだろうか?

それとも、ただ「生存」しているだけだろうか?

兄との別れを前に、私はどんな態度で生きていきたいのか?

『さとりをひらいた犬』は、
かわいい犬の物語に見えて、
じつは「自分の魂に向き合う覚悟」を試される一冊でした。

もし今、
なんとなく心が疲れている人、
本当の自分を見失いそうな人、
大切な人との別れを経験した人がいるなら――

ジョンの旅路とともに、
あなた自身の「魂の声」に耳を傾けてみてほしい、
そう強く思います。

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