想像力がいちばん速い。だから世界は変わる
『時空を変える設定にオン!世界はひとつだけではない。選べるのだよ』(ケルマデック著)を読んで、最初は正直「多次元とかパラレルワールド系のスピリチュアル本かな?」と思って手に取りました。
でも読み進めるうちに、ただ不思議な話を並べた本というより、「自分が今見ている世界って、どこまで“固定”なんだろう?」と考えさせてくる本だと感じました。
特に面白かったのは、著者が漫画やアニメ、映画や小説を「ただのフィクション」とは見ていないところです。むしろ、ああいう作品は人の心や世の中にちゃんと影響を与えていて、場合によっては“現実を動かす力”にもなる、と言うんですね。
これ、私はけっこう共感しました。社会がモヤモヤしている時ほど、妙に刺さる作品が流行ったりしますよね。単なる娯楽のはずなのに、見終わったあとに心が落ち着いたり、逆に「自分も変わろう」と思えたりする。
たぶん私たちは気づかないところで、みんなの気分とか、時代の空気とか、そういうものとつながっているのかもしれません。
そして、私が「なるほど」と思ったのが、**“究極の速さは想像力”**という考え方です。人の脳は、過去にも未来にもひとっ飛びできる。場所だって一瞬で移動できる。考え方ひとつで、今いる世界の感じ方が変わってしまう。確かにこれは、ものすごい力です。
ここで私は、写真のことを思い出しました。花を見て「うわ、きれいだな」と感じる時って、花がきれいなだけじゃなくて、こちらの心の状態も関係している気がします。疲れていると見逃す光が、余裕がある日はちゃんと見える。
つまり“きれい”って、外側だけで完結していない。自分の中の感受性があって、初めて立ち上がってくる。
この本はそれを、「世界は意識に影響される」と言葉にしているように感じました。
また、著者は「今、世界がグラグラしているのは、古い考え方を手放す時期だから」とも言います。不安や絶望に出会った時は、つらいけれど、見方を変えるチャンスでもある。
これもスピリチュアルっぽいようで、意外と現実的だと思いました。昔の常識や成功体験が、今の自分を守ってくれるどころか、逆に重荷になることってありますから。
読み終えて残ったのは、「世界はひとつじゃない」というより、**“自分はどの世界を生きる設定にしている?”**という問いでした。
現実は石みたいにガチガチに固定されているだけじゃなくて、同じ出来事でも受け取り方で意味が変わる。意味が変わると行動が変わる。行動が変わると、出会う人も未来も変わる。
そう考えると「設定を変えたら時空が変わる」という言い方も、私は“自分の意識の置き場を変える技術”として読むと腑に落ちました。
神秘的なところもあるけれど、読み終わったあとに「今の現実の見え方」を少しだけ変えてくれる本。私にとっては、“信じる・信じない”より、「自分の世界の選び方を点検する本」だった気がします。

