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やる気に頼らない習慣のつくり方

『習慣超大全』BJ・フォッグ著(須川綾子訳)を読んだ。
習慣にしたいことは本当にたくさんある。でも、なかなか習慣にできないことの方が多い。たぶん人間みんなそうなんだろうけど、それでも何かヒントが欲しくてこの本を手に取った。気づけば2ヶ月。じっくり読んだのに、読んだだけで“できる人”にはなれない。けれど、「できない理由」が見えてきた分、これは良い読書だったと思う。

冒頭で特に印象に残ったのは、継続的な変化を起こす方法は3つしかない、という話だ。
正確な情報を提供すれば、人は考えを改め、結果的に行動も変わる――私たちはつい、そう信じがちだ。でも実際は、情報だけでは足りない。行動を確実に変えるには、次の3つのどれかが必要になる。

天啓を得る(腑に落ちる瞬間)

環境を変える

小さなことから始める

ここが、最初は少し難しく感じた。でも読み進めるほどに、「ああ、だから続かなかったのか」と納得する場面が増えた。特に“やる気”や“意志力”に頼る発想は、脳の性質的に危うい。モチベーションは移ろいやすく、当てにすると崩れる。だからこの本は、やる気を使わなくてもできる形にすることを勧めてくる。

人の行動は、モチベーション・能力・きっかけの3つで決まる。
そして多くの場合、最後まで到達できる人は1割もいない。これを知っているだけで、落ち込み方が変わる。「自分がダメだから」ではなく、「設計が合っていないだけ」かもしれない、と考えられる。

私にとって実用的だったのは、「その行動は本当に習慣になりやすい形か?」を見抜くための質問だった。

その行動を実行するだけの時間はあるか

お金はかかるか

身体的に無理はないか

頭を使いすぎる内容ではないか

日課に組み込めるか(調整が必要か)

ストレスを伴う行動は習慣になりにくい。無理をすれば短期的には頑張れても、長くは続かない。運動が続かないのも、ここに理由がある気がした。さらに厄介なのは、続かないと罪悪感が出ることだ。罪悪感が出ると、ますます遠ざかる。だから完璧を目指さない。目指すのは「継続」。この割り切りは、きれいごとじゃなくて、現実的な優しさだと思った。

そして本の中心にあるのが、**きっかけ(アンカー)**の使い方だ。
自分の意志で「やろう」とすると失敗しやすい。だから、すでに毎日やっている行動の“後ろ”に、小さな新習慣をくっつける。特に朝は日課が多く、予測もしやすい。つまり、

「〇〇した後に、△△をする」

これが作れた瞬間、習慣は“気合い”から“仕組み”に変わる。必要なスキルは、最適なアンカーを見つけて、適切な小さな行動と組み合わせること。自分をコントロールするために、相手をコントロールしようとしない。この視点も、妙に腑に落ちた。

もう一つ、意外に深かったのが**「祝福(セレブレーション)」**だ。
行動のあとに気分が良くなると、脳はそれを覚える。ポジティブな感情は行動を強化し、次につながりやすくする。逆に、不快感が強いと、脳は避ける回路を強めてしまう。だから、うまくできたら大げさに祝っていい。むしろ祝うことが、習慣の燃料になる。ユーモアや小さな達成感も、馬鹿にできない。

さらに、モチベーションを下げる要因として「社会的プレッシャー」が挙げられていたのも納得だった。比較、評価、人の目。これが入ると、行動のハードルが一気に上がる。長期的な変化をデザインするなら、下げる要因を軽くする、あるいは遠ざける工夫が必要になる。

終盤の比喩で印象に残ったのは、**絡み合ったロープ(結び目)**の話だ。
習慣というのは、いろんな結び目が絡んでできている。全部を一気にほどこうとすると、余計に固くなる。だから、いちばんほどきやすい結び目から解く。小さく、確実に。そうして少しずつ全体がほどけていく。これは、習慣づくりに限らず、人生の立て直し方にも似ている気がした。

「このレシピで一生が変わる」と言われても、現実はそんなに単純じゃない。自分を変えるのは難しい。そこは正直にそう思う。
でも同時に、「変われないのは自分のせい」と思い込まなくていいとも思えた。仕組みの作り方を知らなかっただけかもしれない。私はきっとまた読み直す。自分の行動を点検するために。そして次は、“ほどける結び目”を一つだけ解いてみようと思う。

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