お問合せはお気軽にどうぞ!

0258-24-7567

[ 営業時間:8:00~17:00 ]

LINEからもお問い合わせを受付中

line

[ お急ぎの場合はお電話でどうぞ ]

ZOOM
youtube
LINE
メニュー

古代史を読むと、日本の輪郭が揺らぎはじめる

なぜこの二冊を同時に読んだのか

『日朝古代史の謎』瀧音能之 著と、『新・古代史』NHKスペシャル取材班 著を、今回はほぼ同時に読んだ。きっかけはNHKのドキュメンタリーだった。もともと私は日本の古典や古代史に関心があり、『日本書紀』や卑弥呼、邪馬台国の話には以前から強く惹かれていた。

室町、戦国、江戸、明治以降の歴史は比較的イメージしやすい。けれど、それ以前になると急に史料が少なくなり、分からないことが増える。そこにこそ、私にとっての面白さがある。特に古代史は、日本だけを見ていても見えてこない。朝鮮半島、さらに中国まで視野を広げてはじめて、少しずつ輪郭が見えてくる。そう思ったからこそ、この二冊を並べて読んでみたくなった。

日本は日本だけでできたのではないという感覚

読んでいて何より面白かったのは、日本という国の成り立ちが、最初から「日本だけ」の物語ではなかったと感じられることだった。倭国のことは中国の史書にも記されているが、その間には空白も多い。その空白を埋めるには、日本側の伝承だけでなく、朝鮮半島側の歴史や交流も見ていかなければならない。

卑弥呼がなぜ女性の統治者だったのか。空白の四世紀とは何なのか。ヤマト王権はなぜ朝鮮半島と深く結びついていたのか。百済や新羅、高句麗との関係はどうだったのか。そうした問いを読んでいると、昔習った「日本の歴史」が、実はもっと大きなアジア全体の流れの中に置かれていたのだと感じる。

私は、国というものは最初からきれいに分かれて存在していたのではなく、もっと複雑に、人も文化も技術も行き来しながら形づくられてきたのではないかと思った。文字も制度も技術も、交流の中で育ってきた。そう考えると、日本の文化をただ単純に「日本はすごい」と語るだけでは見えてこないものがたくさんある。むしろ深く知れば知るほど、日本の中に朝鮮半島や中国とのつながりが濃く息づいていることに気づかされる。

新しい技術が、古代の見え方まで変えていく

もう一つ強くワクワクしたのは、古代史が今も更新され続けているということだった。昔の歴史は、古い文献を読むだけの世界ではない。今はドローンやレーザー測量、地形解析などの技術によって、これまで見落とされていた古墳群や地形の痕跡が次々と見えてくる。掘り返さなくても内部の構造に迫れる時代になってきた。

つまり古代史は、過去の話でありながら、今の技術によって新しく読み替えられていく世界でもある。これが実に面白い。誰かが文字を残してくれたからこそ分かることがあり、逆に残されなかった空白は、現代の技術によって少しずつ埋められていく。その営み自体に、私は大きなロマンを感じた。

戦争や同盟、馬の導入、豪族たちの争い、国家のかたちの模索。そうしたものを見ていくと、人間は昔から愚かさも抱えながら、必死に生き延び、交わり、学び、次の時代をつくってきたのだと思う。国境もまた、後の時代に引かれた線にすぎないのかもしれない。そう思うと、歴史を学ぶことは、ただ過去を知ることではなく、今の世界をどう見るかを問い直すことでもあるのだと感じる。

この二冊を読んで、私はますます古代史が好きになった。分からないことが多いからこそ面白い。断定できないからこそ想像が広がる。そして、日本という国をもっと深く知るためには、日本だけを見ていては足りないのだということを改めて感じた。こうした本を読むたびに、自分の歴史観が少しずつ揺さぶられ、広がっていく。その感覚が、今とても楽しい。

PAGETOP