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休むことは、人生を取り戻す勇気だった!

――『休む勇気』谷口たかひさ 著を読んで

谷口たかひささんの『休む勇気』を読んで、私は何度も立ち止まりました。

この本は、単に「もっと休みましょう」と言っている本ではありません。
むしろ、私たちが長い間、当たり前だと思い込んできた働き方、生き方、教育のあり方まで問い直してくる本でした。

特に心に残ったのは、
「人生で一番大事な仕事は、思い出作り」
という考え方です。

仕事はもちろん大切です。
私自身、会社を経営してきて、仕事に責任を持つこと、社員やお客様に向き合うことの重さは身にしみています。

しかし、それでも最後に人生を振り返った時、心に残るのは売上や忙しさだけではないはずです。
誰と笑ったか。
どこへ行ったか。
何に感動したか。
誰と同じ時間を過ごしたか。

そういうものが、人生の本当の宝物になるのだと思います。


休めない社会で、休む勇気を持つ

日本には、まだまだ「休めない空気」があります。

忙しいことが立派。
無理をすることが美徳。
人に迷惑をかけないために、自分を後回しにする。

そんな価値観が、知らず知らずのうちに私たちの中に染み込んでいます。

けれど本書を読んで、私は改めて思いました。
疲れて当然、休んで当然。人間だもの。

この言葉はとてもシンプルですが、深いです。

人間は機械ではありません。
心も体も、使い続ければ疲れます。
それなのに、疲れた自分を責める。
休むことに罪悪感を持つ。
これは、よく考えるととても不自然なことです。

本書では、いきなり一日休むのではなく、まずは10分から15分のマイクロ休憩を取ることが勧められていました。

これは現実的で、私にも取り入れやすい考え方だと思いました。

休むことが苦手な人は、まず脳に
「休んでも大丈夫」
という感覚を覚えさせる必要がある。

休む時間をスケジュールに入れる。
スマホから離れる。
週に一つ、自分のための予定を入れる。

こうした小さな行動が、これからの人生を守ってくれるのだと思います。


働き方改革より、休み方改革

私は会社を経営する立場として、働き方についてはずっと考えてきました。

残業をなくす。
定年制をなくす。
リモートでも働ける仕組みをつくる。
AIやITを使って、無駄な作業を減らす。

そういうことを、自分なりに少しずつ進めてきました。

ただ、この本を読んで特に響いたのは、
「働き方改革」よりも「休み方改革」
という視点です。

働き方は、会社や経営者の考え方に大きく左右されます。
しかし休み方は、自分自身の意識から変えていける部分があります。

何をするかではなく、何をしないか。
何を増やすかではなく、何を減らすか。
何を抱え込むかではなく、何を人に頼るか。

これからは、この選択がとても大事になると思います。

特に私たちの世代は、何でも自分でやることを良しとしてきたところがあります。
人に頼ることを、どこか恥ずかしいことのように感じてきた人も多いと思います。

でも本書では、
自立とは、誰にも頼らないことではなく、依存先がたくさんあること
という考え方が示されていました。

これはとても大事です。

頼れる人がいる。
相談できる人がいる。
任せられる仕組みがある。
AIや道具も含めて、自分を支えてくれるものが複数ある。

それは弱さではなく、むしろしなやかな強さなのだと思います。


教育は、もっと「幸せに生きる力」を育てていい

この本を読んで、私は教育のことも強く考えました。

日本の教育は、義務を教えることには熱心です。
きちんとしなさい。
迷惑をかけてはいけません。
時間を守りなさい。
みんなと同じようにしなさい。

もちろん、これらは大切なことです。

しかし一方で、
自分の権利を守ること
自分の心と体を大切にすること
嫌なことには嫌だと言うこと
助けてと言えること
こうしたことは、十分に教えられてこなかったのではないかと思います。

私は、教育とは本来、子どもたちを比較して順位をつけるためのものではなく、
その子が自分の人生をどう幸せに生きるかを考える力を育てるものだと思います。

体育も、本来は運動好きな子を育てるためにあるはずです。
ところが、競争や優劣ばかりが前に出ると、一部の得意な子以外は、運動そのものが嫌いになってしまうことがあります。

これは勉強も同じです。

比べられる。
評価される。
遅れてはいけない。
間違えてはいけない。

そういう空気の中で、子どもたちは本当に学ぶ楽しさを感じられるのでしょうか。

私は、これからの教育にはもっと
休む力
頼る力
自分で考える力
面白がる力
が必要だと思います。

そしてこれは子どもだけでなく、大人にも必要です。


オンライン教育とAIで、学び方はもっと変えられる

本書の要約の中にあった、教育現場でのオンライン授業や動画活用の話にも共感しました。

教えることが本当に上手な先生の授業を、地域や学校に関係なく子どもたちが見られる。
わからないところだけ、目の前の先生に質問する。
子どもが動画で学んでいる時間に、先生は別の業務を進められる。

これは、先生の働き方を変える可能性もありますし、子どもたちの学び方を広げる可能性もあります。

私は普段から、AIやITを使って仕事の効率化を考えています。
これは建築の仕事だけでなく、教育にも大きく関係すると思います。

これからは、先生がすべてを一人で抱え込む時代ではない。
子どもも、学校という一つの場所だけに閉じ込められる必要はない。
学び方はもっと自由でいい。

もちろん、人と人が直接関わることは大切です。
しかし、全部を対面で、全部を同じ時間に、全部を同じ方法でやる必要はないはずです。

AIや動画やオンラインを使えば、先生も少し休める。
子どもも、自分のペースで学べる。
学校に行きづらい子にも、学びの道が開ける。

教育にも、もっと「休む勇気」と「変える勇気」が必要なのだと思います。


生産性ゼロの時間が、人を幸せにする

この本でもう一つ強く残ったのは、
生産性ゼロの時間こそが、自分を幸せにする
という考え方です。

これは、今の時代にはとても大切な言葉だと思います。

私たちは、何かをしていないと不安になります。
スマホを見る。
メールを見る。
ニュースを見る。
SNSを見る。

何もしていないようで、脳はずっと働き続けています。

しかし、本当に自分の心が戻ってくるのは、何もしない時間なのかもしれません。

海辺でぼんやりする。
山の景色を見る。
孫と何気ない時間を過ごす。
写真を撮りながら、光の変化を待つ。
本を読んで、すぐに結論を出さずに考える。

そういう時間は、一見すると生産性がないように見えます。

でも、その時間があるからこそ、人間は人間らしくいられるのではないでしょうか。

私自身、写真を撮る時間、本を読む時間、旅をする時間、孫と過ごす時間が、仕事以外の自分を育ててくれていると感じます。

仕事だけで人生を埋め尽くしてしまうと、仕事が弱くなった時、自分の居場所までなくなってしまう。
だからこそ、定年後ではなく、定年前から、仕事以外の自分を育てていく必要があるのだと思います。


空気を読みすぎると、人生を失う

この本の中で、私が特に共鳴したのは「空気を読む」ということへの問いでした。

日本では、空気を読むことが大切にされます。
もちろん、それによって人間関係が円滑になる場面もあります。

しかし、空気を読みすぎることで、私たちはどれだけのことを諦めてきたのでしょうか。

本当は休みたいのに、休めない。
本当は行きたい場所があるのに、後回しにする。
本当は会いたい人がいるのに、忙しさを理由にする。
本当は新しいことを始めたいのに、人の目を気にする。

そうやって失われた時間は、戻ってきません。

本書では、その空気が浦島太郎の玉手箱の煙のように、挑戦や経験ができたはずの時間を奪い、後悔だけを置いていくものかもしれない、という表現がありました。

これは本当にその通りだと思いました。

残りの人生で一番若いのは、今日です。
今日という日は、残りの人生の最初の一日です。

そう思えば、休むことも、遊ぶことも、会いに行くことも、学び直すことも、決して後ろめたいことではありません。

むしろ、人生を取り戻す行為なのだと思います。


休む勇気は、未来を面白がる勇気

私はこの本を読んで、休むことの意味が少し変わりました。

休むとは、止まることではない。
怠けることでもない。
人生から逃げることでもない。

休むとは、もう一度、自分の人生を自分の手に戻すことなのだと思います。

そして、休んだ先にあるのは、ただの回復ではありません。
新しいことを面白がる力。
人とつながる力。
自分の本音に気づく力。
仕事以外の自分を育てる力。

これからの人生で大事なのは、若い頃のようにただ頑張り続けることではなく、
恥ずかしくても、面白いことを探すこと
なのかもしれません。

うまくいかないこともある。
続かないこともある。
人から見れば、何をやっているのだろうと思われることもある。

でも、それでいいのだと思います。

やってみてうまくいかないことは、後退ではなく前進です。
人生は、うまくいかないことの方が多い。
それでも一つひとつ試していくことが、思い出になり、自分の世界を広げてくれる。


最後に

『休む勇気』は、休み方の本でありながら、私には人生の後半をどう生きるかを問いかける本でした。

仕事は大切です。
でも、仕事だけが人生ではありません。

教育も、働き方も、家庭も、地域も、これからはもっと
「人が幸せに生きるためにはどうしたらいいか」
という視点から考え直す必要があると思います。

休むことは、人生をあきらめることではない。
休むことは、自分を大切にすること。
周りの人との時間を大切にすること。
そして、これからの人生をもう一度面白がること。

残りの人生、今が一番若い。

だからこそ私は、これからも仕事以外の自分を育てながら、
写真を撮り、本を読み、旅をし、人と会い、孫と笑い、
恥ずかしくても面白いことを探していきたいと思います。

休む勇気とは、
人生を取り戻す勇気だった。

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