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AIは想像力を奪わない。問いを返してくれるだけだ

『マンガでわかるAI時代の「わたしらしい」デザイン』を読んで

甲斐智美さんの『マンガでわかるAI時代の「わたしらしい」デザイン』を読んで、いちばん心に残ったのは、
AIは人間の想像力を奪うものではない
という視点でした。

AIが進化すると、よく「人間の仕事がなくなる」と言われます。
けれど、この本を読んで感じたのは、仕事がなくなる以前に、私たちが本当に恐れているのは、もしかすると**「自分が必要とされなくなること」**なのではないかということです。

でも、AIがどれほど進化しても、
自分自身がなくなるわけではありません。


AIは答えを出すが、決めるのは人間である

AIは答えを出してくれるかもしれません。
選択肢を増やしてくれるかもしれません。
作業を早くしてくれるかもしれません。

しかし、最後に選ぶのは人間です。

「私はこれが好きだ」
「これは違う気がする」
「なぜこちらを選ばなかったのか」

そう考え、選び、決める責任は、やはり自分の中に残ります。

AI時代の本質は、AIに任せることではなく、
AIを使いながら、自分で決めていくことなのだと思いました。


何も作らない日も、創作の一部である

この本では、創作を成果だけで見ていません。
何かを作った日だけが創作ではなく、何も作らない日も、立ち止まる日も、休む日も、創作の一部だと語られています。

これは、とても大事なことだと思いました。

私たちはつい、休むことを無駄だと思ってしまいます。
何も生み出していない自分を、どこかで責めてしまいます。

けれど、人間の頭や心は、止まっているように見える時間の中でも、見えない作業を続けています。

考えを熟成させたり、傷ついた心を回復させたり、言葉にならない感覚を少しずつ形にしたりしている。

だから、何もしていないように見える時間にも、確かに意味があるのだと思います。


頑張らないことは、怠けではなく持続の知恵

会社経営でも、ものづくりでも、写真でも、文章を書くことでも、これは同じです。

頑張り続けることだけが正解ではありません。

頑張らない日は、怠けではなく、
持続するための選択です。

「今日はここまででいい」
そう思えることも、長く続けていくためには大切な知恵なのだと思います。

無理に生み出そうとすると、自分の中の感覚が置き去りになります。
反対に、少し立ち止まることで、見えてくるものがあります。


問いを返してくれる存在

この本に出てくるキャラクターは、何かを命令するのではありません。
答えを押しつけるのでもありません。
ただ、問いを返してくれます。

「本当はどうしたいのか」
「なぜそれを選びたいのか」
「自分の感覚はどこにあるのか」

AI時代に大事なのは、正解を早く探すことではなく、
自分の中にある問いを見失わないことなのだと思いました。


AIを学ぶほど、自分の声が小さくなる危うさ

AIを学べば学ぶほど、便利な答えは増えていきます。
文章も、画像も、アイデアも、すぐに形になります。

しかし、その一方で、自分の声が小さくなっていく危うさもあります。

「これでいいのだろうか」
「AIが出したから正しいのだろうか」
「自分は本当はどう感じているのだろうか」

だからこそ、AIに任せるだけではなく、AIから返ってきたものを一度疑ってみることが大切です。

これは本当に自分の感覚に合っているのか。
自分はなぜ、これを選びたいのか。
なぜ、これは選ばなかったのか。

その問い直しの中に、人間らしい創作があるのだと思います。


これからの仕事は、自分の中から生み出すものになる

今までは、誰かに頼まれたことをきちんとこなすことが仕事だと思われてきました。

もちろん、それも大切な仕事です。
しかし、これからは少し違ってくる気がします。

どんな仕事であっても、
自分の中から何を生み出すのか
自分の感覚をどう仕事に込めるのか
そこがますます大事になっていくと思います。

AIがあるから、人間の創造性が消えるのではありません。
むしろ、AIがあるからこそ、人間は、
自分は何を大切にしたいのか
をより深く問われる時代になるのだと思います。


正解よりも、感覚を大切にする

正解を探し続けると、人は少し苦しくなります。
なぜなら、正解は外にあると思ってしまうからです。

でも、自分の中の問いを大切にすると、少し呼吸が深くなります。

うまくなることよりも、優しくなること。
成果を急ぐことよりも、自分の感覚を取り戻すこと。

AI時代のデザインとは、単に見た目を整えることではなく、
自分らしく生きるための問いを持ち続けることなのかもしれません。


AIは、自分の中の問いを呼び戻してくれる

この本を読み終えて、私は改めて思いました。

AIは想像力を奪わない。
むしろ、急がされる心を少し遠ざけてくれる。
そして、自分の中に眠っていた問いを、静かに呼び戻してくれる。

仕事がなくなるかどうかよりも、
自分が何を感じ、何を選び、何を大切にして生きるのか。

そこに、これからのAI時代の人間の価値があるように思います。

答えより問いを。
正解より感覚を。

AIとの付き合い方は、そこから始まるのだと思います。

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