問いを失わないために

便利な時代だからこそ考えたいこと
だからこそ、安藤昭子さんの『問の編集力 思考の「はじまり」を探究する』を読んで、あらためて「問うこと」の大切さを感じました。
今の時代は、わからないことがあればすぐに調べられます。
AIに聞けば、きれいにまとめた答えも返ってきます。
とても便利な時代になりました。
でも、便利になればなるほど、私たちは「自分で考える時間」を失っているのではないか。
そんなことを、この本を読みながら考えました。
答えよりも、自分の問い
答えを早く知ることは大事です。
しかし、それ以上に大事なのは、
「自分は何を知りたいのか」
「なぜ、それが気になるのか」
「本当にそれでいいのか」
と、自分に問いかけることだと思います。
子どもは、いつも「なんで?」「どうして?」と聞きます。
あれは、ただの質問ではなく、世界を知ろうとする力なのだと思います。
そして、その問いを通して、自分自身にも出会っていく。
「わかったつもり」が一番こわい
大人になると、経験が増えます。
知っていることも増えます。
その反面、「わかったつもり」になってしまうこともあります。
私はここが一番怖いと思いました。
知っているつもり。
見えているつもり。
考えているつもり。
でも本当は、ただ流れてくる情報を受け取っているだけかもしれない。
誰かの考えを、自分の考えのように思っているだけかもしれない。
この本は、そこに静かにブレーキをかけてくれる本でした。
違和感は、自分の本心への入口
「あれ?」と思ったことを、そのまま流さない。
小さな違和感を大切にする。
なぜそう思ったのかを、少し立ち止まって考える。
その中に、自分でも気づいていなかった本心があるのだと思います。
今の社会は、とにかく速いです。
情報も速い。
仕事も速い。
評価も速い。
何もかもが、前へ前へと進んでいきます。
でも、人間の心や体は、そんなに速くできていないようにも感じます。
自然には自然のリズムがあるように、人間にも人間のリズムがあります。
自分の時間を取り戻す
そのリズムを忘れて、ただ社会の速さに合わせていると、自分の時間を生きているのか、誰かの時間を生きているのか、わからなくなってしまいます。
だからこそ、問うことが必要なのだと思います。
「これは本当に必要なのか」
「私は何を大切にしたいのか」
「この先に、どんな未来をつくりたいのか」
そう問いかけることで、流されていた時間に、少し句読点を打つことができます。
立ち止まることができます。
自分の時間を取り戻すことができます。
読書は、自分との対話
私は読書が好きです。
本を読む時間は、ただ知識を増やす時間ではありません。
著者の言葉を借りながら、自分の心と話をする時間でもあります。
なぜ、この言葉に立ち止まったのか。
なぜ、この一文が胸に残ったのか。
なぜ、少し苦しく感じたのか。
そう考えると、本は答えをくれるものではなく、問いを育ててくれるものなのだと思います。
仕事にも、問いが必要
問いは仕事にも人生にも必要です。
会社を続けていくにも、ただ目の前の仕事をこなすだけではなく、
「これから何が必要とされるのか」
「お客様はまだ言葉にできていない何を求めているのか」
「私たちはどんな会社になりたいのか」
と問い続けることが大切です。
制約があるからできない、ではなく、
制約があるから考える。
人手が足りないから工夫する。
お金が限られているから知恵を出す。
時代が変わるから、新しい形を探す。
そう考えると、制約もまた問いを生むきっかけになります。
問いを持つ人でありたい
この本を読んで、私は「答えを急ぎすぎない人」でありたいと思いました。
すぐに正解を求めるのではなく、自分の中に問いを持ち続ける人でありたい。
わかったつもりにならない。
違和感を大切にする。
本を読み、人と会い、知らない場所へ行き、自分の見方を少しずつ変えていく。
問うことは、迷うことではありません。
自分らしく生きるための力なのだと思います。
これからの時代に必要な力
これからの時代、ますます便利になります。
AIもさらに進化します。
情報ももっと増えていくでしょう。
だからこそ、人間に必要なのは、答えを持つことだけではなく、問いを持つことだと思います。
問いを持つことで、自分の心の声に気づく。
問いを持つことで、社会の流れに流されすぎない。
問いを持つことで、まだ見えていない未来に手を伸ばす。
この本は、そんな大切なことを思い出させてくれました。
答えを探す前に、まず自分の中の問いを大切にしたい。
そう感じた一冊でした。
