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メタバース事務所を一度たたみます

それでも、私はメタバースの未来をあきらめていません

五十嵐工業では、これまで約3年間、Spatial(スペーシャル)というメタバース空間を使い、バーチャル事務所を運用してきました。

当社の空間には、応接室の大型水槽、製品紹介、施工事例、写真展、各種案内パネル、QRコードなどを配置し、どなたでも自由に入れる「未来の展示場」のような場所を目指してきました。

建築の仕事は、写真や図面だけでは伝わりにくいものがあります。

大きさ、空間の雰囲気、製品の使い方、会社の考え方。
それらを、少しでも楽しく、直感的に伝えられないか。

そんな思いで、メタバース空間を作り、運用してきました。

しかし、このたびSpatialのサービス終了に伴い、現在公開しているバーチャル事務所も、2026年7月27日をもってご覧いただけなくなります。

正直に言えば、Spatialはとても面白いサービスでした。

無料、または低価格で部屋を作ることができ、多くの人が自由に空間を持つことができました。
当社も、年間3万5千円ほどで複数の空間を運用することができていました。

ただ、3年間使ってみて感じたのは、技術が先行しすぎていたのかもしれない、ということです。

まずは無料や低価格で多くの人に部屋を作ってもらう。
そこから利用者を増やし、サービスとして成り立たせていく。
おそらく、そういう考え方だったのだと思います。

けれども、空間がどんどん増えていく一方で、そこから安定して収益を上げる仕組みは難しかったのではないかと感じています。

広告を入れるにも限界がある。
利用者から大きな料金を取るにも、まだ一般のお客様の日常利用には遠い。
その結果、サービスとして継続することが難しくなったのではないかと思います。

今回、Spatial終了に伴い、他のメタバースサービスもいろいろ検討しました。

しかし、現在の代替サービスは、1部屋で月額数万円かかるものもあります。
これまで年間数万円で複数空間を運用できていたことを考えると、そこまで費用をかけて続ける意味があるのか、冷静に考える必要がありました。

結論として、今回は一度、部屋をたたむことにしました。

ただし、これはメタバースをあきらめるという意味ではありません。

私は、メタバースの未来はまだ終わっていないと思っています。

むしろ、これから本当の意味で始まっていくのではないかと思っています。

現在のVRゴーグルは、長時間使うにはまだ負担があります。
装着感、重さ、暑さ、目の疲れ。
私自身も使ってみて、長時間の運用は厳しいと感じました。

では、メガネ型のグラスになればよいのかというと、そこにもまた別の課題があります。

グラスは軽くなりますが、没入感は弱くなります。
また、カメラがついていることで、プライバシーや情報管理の問題も出てきます。

今はAIが画像や文字を自動で読み取り、検索し、クラウドに送ることもできる時代です。

人の顔、書類、会社の情報。
何気なく見たものが、知らないうちに記録される可能性があります。

これは、単なるカメラではありません。

人間に「第三の目」がつくようなものです。
しかも、その目には高度な頭脳がついている。

便利である一方で、悪用される可能性もある。
そのため、グラスをつけて日常の中を歩く世界には、まだ法律や倫理の整理が必要だと思います。

それでも、私が初めてメタバースを体験した時の衝撃は、今でも忘れられません。

遠く離れた人が、すぐ隣にいるように感じる。
右にいる人の声は右から聞こえ、左にいる人の声は左から聞こえる。
距離感や空気感が、まるで本当に同じ場所にいるように伝わってくる。

あの体験をした時、私は「これはすごい」と思いました。

画面越しの会話ではなく、同じ空間にいる感覚。
それは、Zoomや電話とはまったく違うものでした。

私は将来、もっと自然な形のメタバース空間が生まれると思っています。

たとえば、一つのブースや部屋に入るだけで、特別なゴーグルや重い機器をつけなくても、メタバース空間に入れる。

そこでは、遠くの人と会話ができる。
アバターで参加することもできる。
顔の表情や手の動きも伝わる。
必要なら、自分の姿を見せずに、別の姿で交流することもできる。

さらに、部屋の中を歩けば、その動きに合わせて仮想空間の中も歩ける。
同じ場所をぐるぐる歩いているだけなのに、森の中や展示場や遠くの街を散歩しているように感じられる。

風、温度、匂い、触感。
そうした五感に近いものまで再現できるようになれば、メタバースは今とはまったく違うものになると思います。

駅や商業施設の中に、小さなメタバースブースが並ぶ日も来るかもしれません。

今、駅などに一人用の仕事ブースがあります。
それと同じように、そこに入ると、パソコンもモニターもいらず、話せば文字になり、目の前に資料が表示され、遠くの人と同じ空間で打ち合わせができる。

そんな時代が来るのではないかと、私は想像しています。

物理的なものを身につけなければ体験できない世界ではなく、もっと自然に、もっと軽く、もっと人間に近い形で入れる仮想空間。

指輪のような小さなセンサーだけで、握手した感覚や、ものに触れた感覚が伝わるような世界。

それは、今すぐではないかもしれません。

でも、必ず近づいてくると思っています。

今回、五十嵐工業のバーチャル事務所は一度たたみます。

しかし、3年間の経験は決して無駄ではありませんでした。

お客様にどう伝えるか。
会社の雰囲気をどう見せるか。
製品や施工事例をどう体験してもらうか。
未来の展示場とはどうあるべきか。

そうしたことを、実際に試すことができました。

これからは、メタバース空間に置いていた写真、動画、施工事例、説明文、3Dデータなどを整理し、ホームページやSNS、動画などの中で活かしていきたいと思います。

そして、これから出てくる新しいガジェットやサービスにも、引き続きアンテナを高くしていきます。

五十嵐工業として、お客様とどうつながるか。
お客様にどう伝えられるか。
お客様のまだ言葉になっていない要望に、どう寄り添えるか。

それを考えることは、これからも変わりません。

メタバース事務所は、しばらくお休みします。

でも、未来の空間づくりは終わりません。

また再開できる機会が来た時には、今よりもっと自然で、もっと役に立ち、もっと楽しい空間として戻ってきたいと思います。

現在の五十嵐工業バーチャル事務所は、2026年7月27日までご覧いただけます。

ぜひ終了までに一度、訪問してみてください。

少し先の未来を考えながら、五十嵐工業が試してきた空間です。

▼五十嵐工業バーチャル事務所はこちら
https://www.spatial.io/s/Wu-Shi-Lan-Gong-Ye-wakuwakuGuang-Chang-63aba6f8b3a03b00019e2f5f?share=6945061951970486719

公開期間:2026年7月27日まで

 

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