自尊心は、人生の土台だった

『うまくいっている人の考え方 完全版』を読んで
ジェリー・ミンチントン氏の『うまくいっている人の考え方 完全版』を読み終えて、私は「人生を変えるのは能力や才能ではなく、自分をどう見ているか」という、とてもシンプルでありながら奥深い真理を改めて感じました。
本書では何度も「自尊心」という言葉が登場します。
自尊心とは、自分を過大評価することでも、自信満々になることでもありません。
「自分には価値がある」と静かに認められる心の状態です。
私はこれまで数多くの自己啓発書を読んできましたが、この本は単なる前向き思考を勧める本ではありませんでした。
その根底には、人間の心理や哲学が流れていました。
特に印象に残ったのは、人を馬鹿にする人への考え方です。
相手を傷つけることで優越感を得ようとする人は、自分自身の心に問題を抱えている。
だから言い返す必要はない。
微笑んで、その場を離れればいい。
この考え方はとても新鮮でした。
私自身も経営をしていると、さまざまな意見や批判を受けます。
以前なら反論したくなることもありました。
しかし今は、「建設的な批判はありがたく受け入れ、人身攻撃には反応しない」という姿勢のほうが、自分の心を守り、成長にもつながるのだと思えるようになりました。
また、「異文化を知ることで自分を知る」という言葉にも深く共感しました。
私は写真撮影が趣味で全国を旅しています。
同じ日本でも地域ごとに風景も文化も人も違います。
その土地を歩き、その空気に触れるたびに、自分自身の価値観が少しずつ広がっていくことを感じています。
旅は景色を見るだけではなく、自分を見つめ直す時間でもあるのです。
そして、もう一つ心に残ったのが「心の中の静かな場所を見つける」という考え方でした。
目を閉じて静かに座る。
禅にも通じるこの時間は、答えを外に探すのではなく、自分の内側に探す時間なのだと思いました。
AIが瞬時に答えを出してくれる時代になりました。
便利になればなるほど、人は外から情報を集めることに夢中になります。
しかし、自分は本当はどう考えているのか。
本当に望んでいることは何なのか。
その答えは、AIでもインターネットでもなく、自分の心の静かな場所にしかありません。
さらに本書は、「人生は不公平だ」と嘆く時間があるなら、「今できること」に集中したほうが人生は良くなると教えてくれます。
私はこの言葉に大きくうなずきました。
会社経営でも写真でも読書でも、思い通りにならないことは数え切れません。
しかし、その不公平さを嘆いても現実は変わりません。
それよりも、一つひとつの選択を大切にし、自分ができることを積み重ねるほうが、未来は確実に変わっていきます。
読み終えて感じたのは、この本は「成功する方法」を教える本ではなく、「幸せに生きる土台」を教えてくれる本だということです。
考え方が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、人間関係が変わる。
そして人生そのものが少しずつ変わっていく。
そのすべての出発点が、自尊心なのだと私は理解しました。
これからも私は、自分を必要以上に責めず、人とも比べず、今ある幸せに目を向けながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。
AI時代だからこそ、最後に人生を決めるのは「考え方」であり、「自分をどう信じるか」なのだと、この一冊が静かに教えてくれました。
