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ブログ - 五十嵐工業株式会社 - Page 15

  • 自分の中の“眠っていた誰か”に、ようやく会えた気がした | 2025.10.16

    『成長し続けるための77の言葉』(田坂広志)を読んで


    「自分探し」に腑に落ちた、はじめての瞬間

    「自分探し」という言葉を、これまでどこか他人事のように感じていた。
    けれどこの本の冒頭に出会ったとき、心にストンと落ちる感覚があった。

    「自分探し」とは、自分の中に眠る“様々な自分”と巡り会うこと。

    この言葉に出会って、ようやく自分の中にあった違和感がほどけた。
    「自分」というのは、たった一つの輪郭を持つ存在ではなく、
    経験や出会い、本との対話を通じて、少しずつ浮かび上がってくるものなのだと気づかされた。

    自分の中には、まだ知らない“自分”がいる。
    本書は、それらに気づかせてくれる静かな地図のような一冊だった。


    「力」は知識ではなく、言葉にできない“何か”になる

    田坂さんは、これからの社会で求められるのは「知識」ではなく「知恵」だと説く。
    それは営業力、交渉力、企画力……といった“○○力”に現れるものであり、
    AIでは代替できない「人間ならではの力」なのだと。

    この力は、座学で学べるものではない。
    人と向き合い、心を動かし、時に傷つきながらも体感でしか掴めないもの。
    だからこそ、師匠を持ち、その姿勢や佇まいから“感得”することが大切になる。

    「感得」とは、感動し、感心し、共感すること。
    つまり、心が揺さぶられたとき、人はようやく“本当の知恵”をつかむのだ。
    これまでの自分は、知識を手に入れれば何かが変わると思っていた。
    でも実際に変わるのは、「心が動いたとき」なのだということに、深く頷いた。


    成熟とは、心の奥にある“エゴ”を見つめること

    この本で特に印象に残ったのは、「心の世界」を三段階に分けていたところ。

    • 第一段:相手の心が見える

    • 第二段:集団の心が見える(空気感・雰囲気)

    • 第三段:自分の心が見える

    自分のことは自分が一番わかっていると思いがちだけれど、
    本当は一番見えていないのが、自分の心かもしれない。

    なぜなら私たちの心には、「無意識」という見えない層が存在していて、
    その奥にある“エゴ”が人間関係の摩擦や、自分の苦しさの根っこに潜んでいるからだ。

    エゴは消せない。けれど、見つめることはできる。
    自分の中に“もう一人の自分”を育て、その目でエゴを客観的に見ていくこと。
    これこそが「成熟」なのだと、田坂さんは静かに語っていた。

    また、こうも語られていた。

    「成功」は約束されていない。けれど、「成長」は誰にでも約束されている。

    この言葉が、じんわりと心に沁みた。
    失敗は怖い。でも、その中にこそ学びがあり、成長がある。
    うまくいかない日々にも意味があるのだと思うと、不思議と前を向きたくなる。


    おわりに:人生の中で何度も読み返したくなる一冊

    田坂広志さんの言葉は、いつも人生の節目で静かに背中を押してくれる。
    この本もまさにそうだった。ページ数は薄いのに、心に残るものがあまりに濃い。

    読むたびに、違う“自分”が反応する気がする。
    だからこそこれは、一度読んで終わりではなく、
    何度も繰り返し、自分の成長とともに読み返したい「人生の書」になった。

    きっとまた、数年後にこの本を開いたとき、
    今とは違う“自分”が、また何かを受け取るのだろう。
    そんな予感がしている。

  • 「36回目の冬を迎える花」 | 2025.10.15

    夏の間、事務所の外で陽をいっぱいに浴びていたハイビスカス・ブーゲンビリアの鉢植えを、先週、寒さが来る前に室内へ移しました。すると数日後、ブーゲンビリアが真っ赤な花を咲かせてくれました。
    外では冬の気配が漂い始めていますが、事務所の中だけは少しだけ夏の香りが残っているようです。
    思えば、この花が当社の事務所で冬を越すのは今年で36回目。厳しい寒さの中でも、変わらず咲き続けるその姿に、日々の仕事への励ましを感じます。
    自然の力強さや、環境が変わっても咲き続ける生命のたくましさは、私たちのものづくりにも通じるものがあります。
    外が雪に覆われても、この花はまた静かに咲くでしょう。今年も小さな花が、季節を超えて私たちに前向きなエネルギーを届けてくれました。

  • 「もつれた自分」をほどく旅 ー 量子の世界から学んだこと | 2025.10.15

    『人生がパパッと変わる「量子もつれ」のほどき方』(Shaliko著)を読んで、またひとつ、見えない世界への理解が深まった気がします。

    量子もつれや波動、フォトン、波動関数…。
    正直、これまでも何冊か似たテーマの本を読んできたけれど、「わかったようで、わからない」。
    物質が点であり波であり紐である、というたとえに毎回少し戸惑う。でも、その複雑怪奇さこそが量子の世界なのだと、今回ようやく腑に落ちたような気がしました。


    目に見えない“つながり”の正体

    特に印象に残ったのが、「量子もつれ」の状態を、人間関係にたとえている部分です。
    たとえ物理的に離れていても、深く結びついたもの同士は互いに影響し合う。まるで、大切な人のことをふと思い出した瞬間に連絡が来る、そんな不思議なつながり。

    人の体も微弱な電気を帯びていて、それがフォトン(光子)として発しているといいます。つまり、人と接するとき、そこには目に見えない量子的な“波”が交差していて、その相性によって「なんとなく合う」「居心地が悪い」と感じるのかもしれません。


    「仮の自分」をほどいていく

    本書を読んで思い出したのが、自分の中にある「仮設定の自分」の存在です。
    子どものころから「みんなと同じが正しい」と教えられ、それに合わせてふるまってきた結果、知らず知らずのうちに“本当の自分”はどこか奥にしまわれていった。そんな人、多いのではないでしょうか。

    それが長く続くと、自分の考えを持つことすら億劫になって、思考が止まってしまう。
    でも、量子の世界のように、私たちも常にゆらぎながら存在している。だからこそ、「今の自分」も書き換えていいし、波動を変えていいんです。


    “空”のこころで軽くなる

    筆者は、「もつれをほどく方法」として、“幸せを感じること”や、“空(くう)=こだわらない心”の大切さを語っています。
    この“空”という言葉、仏教でもよく出てきますよね。区別や執着を手放して、ただあるがままに今を味わうこと。

    科学と宗教、哲学は、実は同じことを違う言葉で語っているのかもしれません。
    私たちはフラクタル構造のように、宇宙と同じパターンで成り立っているなら、自分の波動を整えれば、外の世界にもそれが響く。
    未来は「今」の延長にある。だからこそ、今日をどんな波で生きるかが、すべてなんだと感じました。


    最後に──

    難しいことでも、知ろうとすれば教えてくれる時代に生きていることに、ふと感動します。
    「量子もつれ」をほどく旅は、見えないものを信じることから始まるのかもしれません。

    自分に優しい波動を選びながら、軽やかに生きていきたい──そう思えた一冊でした。

  • 「商品の良さ」だけじゃ売れない時代に読むべき1冊  | 2025.10.09

    常識を10°ズラすだけで、売れるアイデアは生まれる

    ——『道ばたの石ころ どうやってうるか?』(野呂エイシロウ)感想

    商品を売るって、どういうことだろう?
    そう改めて考えるきっかけをくれたのが、野呂エイシロウさんの著書『道ばたの石ころ どうやってうるか?』です。

    本書の中で何度も繰り返されるのは、「視点を変える」ことの大切さ。
    自分の会社⇒お客様 ではなく、お客様⇒自分の会社 という逆向きの発想。
    これだけでも、大きなヒントになります。

    スティーブ・ジョブズも「視点を変える」ことの達人だったといいます。
    たしかに、「商品の良さ」をいくら一生懸命アピールしても、売れないことはあります。
    それは、「売る側の都合」だけで世界を見ているからかもしれません。

    また、こんなフレーズも印象に残りました。

    「最高の一案は、山ほどつまらない案の中に、ひっそり埋もれている」

    つまり、“的外れ”なアイデアも、“あり得ない”発想も、すべては「宝探し」の途中にあるということ。
    「脳は怠け者だから、常識に寄りかかろうとする」という指摘もドキッとします。
    私たちは、気づかないうちに“思い込み”で思考停止していることが多いのです。

    他にも、「情報にケチになれ」という言葉も心に残りました。
    これはお金の話ではなく、「時間」と「情報の質」への投資の話。
    ただ闇雲にインプットするのではなく、“自分にとって本当に面白い・使える情報か”を見極めようということです。

    たとえば、最近は新聞を読む人が減っていますが、年収1000万円以上の92%は新聞を読んでいるというデータが紹介されていて、ハッとしました。
    「売る」ためのヒントは、意外と日常のスーパーのチラシや、何気ないニュース記事の中に転がっているのかもしれません。

    著者は、「わざと間違える」ことも視点をずらす技法として紹介しています。
    また、まったく違うジャンルや他人の考え方を“まねる”ことも、有効なアプローチとのこと。
    形ではなく、考え方をまねるというのがポイントです。

    最後に紹介されていたのが、「とりあえずやってみる」「ダメならすぐやめる」という軽快な思考のすすめ。
    これもまた、思考停止を打ち破る小さな一歩だと思います。


    ✅まとめ:自分の“視点癖”を疑ってみる

    本書を読んで強く思ったのは、自分の中の「常識」が意外と厄介な敵になるということです。
    思考停止に陥らないためには、あえて視点をズラす、外す、まねる、遊ぶ、そして捨てる。
    こうした「ずらし」の習慣を、これから日々の中で試してみたいと思います。

    何かがうまくいかないと感じたとき、ほんの10°だけ視点を変える
    それだけで、まったく違う景色が見えてくるかもしれません。

  • 記憶力の低下に悩む人が、日常でできる脳活・体活をやさしく指南してくれる本。 | 2025.10.03

    松原英多著『人の名前が出てこなくなったときに読む本』

    「人の名前が出てこない」——そんな経験、ありませんか?
    正直、私はずいぶん前からそんな感じで、「もう年齢的にしょうがないよね」と開き直ってました。だから、このタイトルを見たときも「キャッチーなだけでしょ」と正直、ちょっと疑いながら読み始めたんです。

    でも読んでみると、意外と深いし、実生活にも役立ちそうな話が満載。これはちょっと紹介しておきたいな、と思って感想をまとめてみました。


    記憶力が落ちるのは興味の問題?

    本の中で「人の名前が出てこないのは、相手に興味がないから記憶が生まれない」と書かれていて、ちょっとドキッとしました。
    確かに、最近は新しく会った人の名前を聞いても「またすぐ忘れそう…」という気持ちの方が先に来て、ちゃんと覚えようとしてないかもしれません。

    顔の記憶に関しても面白い話がありました。脳には“顔細胞群”という細胞の集まりがあって、顔は非言語記憶(=言葉ではなく映像のように記憶する)としてエピソード記憶に分類されるそうです。
    なるほど、歴史上の人物の顔と名前がなかなか一致しないのも、意味記憶になっちゃうからなんですね。


    脳を活性化させる、ちょっとした習慣たち

    記憶力を維持するには、結局「体を動かすこと」が一番効果的だそうです。

    • 5分の筋トレと15分のウォーキング

    • 足を動かせば血液が循環して、脳にも栄養が届く

    • 歩くときは“親指”を意識するだけでも効果あり

    そして面白いのが「おしゃべりしながら歩くと、脳の活性化につながる」という話。黙々と歩くより、誰かと話しながらの方が、確かに楽しいし、続きそうですよね。

    運動は「面白くなければ意味がない」とも書かれていました。追い込むような運動よりも、楽しんでできることが大事。意欲が出ないと継続も難しいし、面倒だと思った瞬間に記憶力も落ちるそうです。


    日常に取り入れたいちょっとした工夫

    ほかにも、なるほど〜と思ったポイントがたくさん。

    • 緑茶をよく飲む人は認知機能の低下を防げる

    • 食事はひとりより、誰かと一緒の方が“妙薬”になる

    • 冬は暖かく、夏は涼しく。シンプルだけど大事な環境づくり

    • 幸せホルモン“オキシトシン”を出すには、背中をやさしくなでるのも効果的

    どれもすぐに実践できそうなことばかりで、読んでいるうちに「自分の生活スタイル、ちょっと見直してみようかな」と思えてきました。


    最後に:記憶も健康も、“楽しく”がコツかも

    この本は、記憶力の低下をただの老化として諦めるんじゃなくて、「暮らしの工夫で改善できるよ」と前向きなヒントをくれる一冊でした。

    「今日は誰とおしゃべりしながら歩こうかな?」
    そんなふうに、毎日を少しだけ意識して過ごすことで、脳も身体もきっと元気になる気がします。

  • “4時退社”でも成果を出す国・デンマークに学ぶ働き方の本質 | 2025.10.02

    20年前、私はデンマークを巡るデザインツアーに参加し、文化の違いに衝撃を受けました。
    あの時感じたカルチャーショックは、今回読んだ一冊によって、さらに深く、鮮やかに蘇ってきました。

    針貝有佳さん著『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』。
    日本人である著者が実際にデンマーク人と結婚し、現地で生活しながら見つめた「働き方」と「暮らし方」のリアルが綴られています。

    デンマークは北欧の小国ながら、国際競争力1位、デジタル競争力1位、今後5年間のビジネス環境3位と、圧倒的な結果を出しています。
    では、どうして「4時退社」「週休3日」「長期休暇」が当たり前の国が、こんなにも強いのでしょうか?


    生産性を支える3つの力

    この本を通じて見えてきたのは、デンマークの高い競争力の背景には以下の要素があるということ。

    • 状況変化に対する企業の柔軟な対応力

    • 社員の高いモチベーション

    • 徹底したデジタル化

    特に印象的だったのは、変化への対応スピードの速さです。
    たとえば2022年、感染者数が過去最高を記録している最中にも関わらず、デンマークは一気にコロナ規制を撤廃。迷いなく「前に進む」姿勢は、日本とは対照的でした。

    また、「古いシステムを切り捨てる勇気」があるのも特徴です。日本のように“全員に優しい設計”を目指すあまり、改革が進まない状況とは対照的に、デンマークは変化を阻むものを潔く手放します。


    モチベーションの質が違う

    もう一つ、驚いたのは「部下の仕事をチェックしない」という文化です。
    デンマークでは、ダブルチェックは非効率でありタブー
    一人ひとりが責任を持ち、ベストを尽くす前提で働いています。

    日本のように「上司が責任を取る」構造では、どうしても確認・承認の連鎖が生まれ、スピードも効率も落ちてしまう。
    でも、もし本当にチェックを減らせたら?と想像すると、仕事の進み方が大きく変わる気がします。

    また、彼らは4時に退社して終わらない仕事があれば、自分の意思で早朝や夜に働くこともあります。
    ただそれは命令された「残業」ではなく、「自分がやりたいからやる」時間なのです。
    ここにあるのは、仕事への責任感とモチベーションの違いです。


    我慢しない。個性を尊重する。

    もう一つ心に残ったのは、「我慢しない力」です。
    日本では“黙して語らず”“忍耐こそ美徳”とされがちですが、デンマークでは言いたいことは言う・無理しない・させないことが健全な人間関係の鍵とされます。

    失敗のプロセスも評価対象になることにも驚きました。
    日本のように「結果がすべて」とせず、チャレンジした過程も価値とみなす。
    そんな考え方が、働く人の挑戦意欲を支えているのだと感じました。

    部下の個性に合わせて働きやすい環境を整える中間管理職の在り方も印象的です。
    「上司は指示を出す人」ではなく、「部下が気持ちよく働ける土壌をつくる人」なのです。


    最後に:当たり前を疑うことから始めたい

    デンマーク人にとって「仕事の意味」は、単なる報酬ではなく「社会的意義」と「自分にとっての意義」の両立です。
    だからこそ、彼らは高い税金にも納得してお金を払える。
    「自分が誰かの役に立っている」──その実感が、人生の中心にあるのです。

    この本を読みながら、私はあの時デンマークで感じたカルチャーショックが、今ようやく自分の中で言語化されたような感覚がありました。
    日本で“当たり前”とされる価値観の多くが、実は非常に限定的な視野の中にあるのでは?と改めて考えさせられます。

    まずは、目の前の“常識”を疑ってみること。
    それが、自分の働き方、人生の時間の使い方を見直す第一歩になるのかもしれません。

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